ENA's HISTORY
江名製作所100年の軌跡
かつて漁港として発展した福島県の小さな集落・江名。動力船の黎明期、同村に創設された江名製作所は、漁港の繁栄と船舶の大型化を背景に飛躍的な成長を遂げました。
しかし、1970年代に始まった200海里問題をはじめ、さまざまな外的要因から、日本の遠洋漁業は衰退の一途をたどり、2005年には江名魚市場も閉鎖に追い込まれました。
こうした時代背景の中、江名製作所は常に試行錯誤を繰り返し生業の維持と発展に努めて参りました。現在、その豊富な経験と高い技術力は国内の船尾装置などのほか、タイセイ・エンジニアリング社の特許製品であるアーティカップルの製造にも引き継がれ、1976年からは海外とも取り引きを開始。東日本大震災後も大型工作機械を積極的に導入するなど、これからの100年を見据え、たゆまぬ前進を続けて参ります。
ENASEISAKUSHO | YEAR | ENA & FISHERIES |
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田村鉄蔵が江名村(現・江名町)に江名鉄工所を設立 舶用内燃機関修理を開始 |
1919年 | 江名信用生産組合設立・船舶の動力化、大型化に伴う資金の補助を行う |
1921年 | 2期、6年にわたる江名築港工事が始まる | |
1924年 | 江名港に福島県初の機船底曳網漁船が入港 | |
1932年 | 中之作の築港工事が本格的に開始 | |
中之作工場を買収、中之作鉄工場を設立(中之作川岸18) | 1933年 | |
折戸(岸浦24)に鋳造工場(合資会社江名鋳造所)設立 江名港及び中之作港を中心に、90HP焼玉機関を中心に製造並びに修理を行う |
1935年 | 北洋サケマス漁業の前身となる母船式サケマス漁業の独航船が江名港から出港、小野晋平氏が私費を投じて折戸地区の埋立に着工(~1940) |
1936年 | 江名港が県費支弁港に編入、防波堤の建設工事が始まる |
ENASEISAKUSHO | YEAR | ENA & FISHERIES |
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舶用内燃機関及び各種漁労機械の製造及び修理を目的に、現在地に新たに江名製作所を設立し、江名鉄工所及び中之作鉄工所を分工場とする。当所設立後は、主として115HP焼玉機関を製造する | 1939年 | 第二次世界大戦始まる |
1940年 | 江名・中之作港が地方港湾に指定 | |
1945年 | 鹿島灘沖の悲劇。終戦、GHQが日本船舶の移動を禁止 | |
江名江ノ浦(22)に砲金工場設立 | 1947年 | 電気の光を利用した新しいサンマ漁法を工夫 |
1948年 | 江名港が地方港湾に再指定。船揚場、冷凍冷蔵施設など、漁船の大型化に対応した施設を整備。人口増加を要因とした埋立により江ノ浦地区が造成 | |
機械設備の更新を行い、120HPディーゼル機関及び船尾装置の設計、製造を始める | 1949年 | |
1952年 | 北洋漁業が再開。江名港は北洋サケマス・遠洋漁業の基地として賑わいを見せる | |
1953年 | 磐南鉄道(小名浜ー江名)が開通 | |
平市三丁目(現・平三町目)に興和商会(代表・田村政雄)を開設、部品販売を開始 | 1956年 | |
鋳造部門の増強を行い、強靱鋳造の製造を始める | 1960年 | |
製缶部門を設け、油圧漁労機械、甲板機械の設計、製作を始める。興和商会が平市南町14番地に拡張移転 | 1962年 | |
昭和40年前後から富士ディーゼルの下請けとして部品製造を始める | 1965年 | 江ノ浦地区北側1.1ha(現・風越)の埋立が完了 |
1967年 | 江名鉄道(旧磐南鉄道)が解散。軌道跡はのちに道路化され現在に至る | |
田村修次(現社長)入社 | 1969年 | |
NC機械を初めて導入(かつお一本釣り用装置など製造) 江ノ浦工場を建設し、小型工作機械を主として設置する |
1970年 |
ENASEISAKUSHO | YEAR | ENA & FISHERIES |
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アーティカップル1号機納入 | 1972年 | 1970年代、石油ショックによる原油高、200海里問題などで遠洋漁業の漁獲量が激減 |
個人企業を改組し、株式会社江名製作所を設立。 田村政雄所長が初代社長に就任 |
1975年 | |
各工場を本工場に統廃合集約し、生産の合理化を図る。 アーティカップル4艘分をソ連に初輸出 |
1976年 | |
アーティカップルをノルウェー、デンマークに輸出 | 1980年 | |
1984年 | 国内漁獲量がピークを迎える(約1,150万トン)※漁業・養殖業生産統計年報(統計センター編)による | |
1985年 | プラザ合意以降、円高とともに水産物の輸入量が増え、国内漁業の衰退が続く | |
1988年 | 北洋での全面禁漁政策を受け、母船式サケマス漁が廃止 | |
1996年 | 海産資源保護の機運が高まる中、「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律」が施行される | |
田村修次社長に就任 JFE(旧富士ディーゼル)と取引終了 |
1997年 | |
2000年 | 水産物の輸入量が生産量を上回る | |
2005年 | 江名魚市場閉鎖 |
江名製作所は2019年、創業100年を迎えました。
100年に渡って培った技術を継承し、これからも事業の成長を図るとともに、次の100年に向けたゆまぬ努力を続けてまいります。
ENASEISAKUSHO | YEAR | ENA & FISHERIES |
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東日本大震災で被災 被災後、1週間閉鎖の後復旧、4月1日から通常稼働 |
2011年 | 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故 |
新工場を建設 大型工作機械を設置し、加工及び組立工場とする |
2014年 | |
創業100周年 ホームぺージリニューアル、特設サイト設置 |
2019年 |